日時:令和2年9月4日(金)13:00~15:30
会場:大分県立図書館 視聴覚ホール
週末に台風10号の接近が心配される中、地域の防災力・減災力等をテーマに時宜を得た研修会が実施されました。県内の公民館関係者70余名が参加し、頻発する未曽有の災害やコロナ禍の中、関心の高さが伺える研修会となりました。
例年に比べ、日程を短縮した研修会ではありましたが、参加者の皆さんの関心の高さと講師陣の高い力量により、密度の濃い時間となりました。
・事例発表
※飛沫防止シート施工がなされた講師席で事例発表をする大鶴公民館の高尾徳昭氏
平成29年の九州北部豪雨災害で甚大な被害が発生した日田市大鶴地区での避難所運営の実際についてお話くださり、避難者の受付から部屋の準備、情報提供の方法、マスコミ対応に至るまで、避難所で実際に起こるさまざまな課題や問題点等について多くの示唆をいただける発表でした。
また、今年の7月の豪雨災害ではコロナ禍の中での避難所運営の大変さを経験され、参加者の皆さんも当事者意識を共有し、熱心に耳を傾けていました。
お話の中で、災害に強いまちづくりにとって、自主防災組織の必要性が高いことを訴えておられました。
・講演
※大分大学減災・復興デザイン教育研究センター センター長 小林祐司氏
多様化・複雑化するリスクに地域はどう備えるべきかと題し、大分大学減災・復興デザイン教育研究センターの小林祐司センター長にお話しいただきました。
研究者としての視点から2つの「再考」についてのお話がありました。
①「避難」の再考 (夜に避難をしない仕組み)
②「住む」ことの再考(今の住み方で良いか?)
そして、リスクを正しく認識せずに、十分な防災対策を取ることはできないことや、プロアクティブ(積極的対応、先制攻撃)の原則に従うことの大切さ、具体的には災害時の意思決定において「空振りは許されるが、見逃しは許されない」ことなどのお話がありました。
そして、防災とはまさしく、「まちづくり」であり、「ひとづくり」であるといったお話をされ、終始参加者の皆さんの意識に訴えかける内容でした。